いびきがひどいのは扁桃腺のせい?手術の効果と費用を徹底解説

いびきの原因が扁桃腺にあるって本当?

「いびきがひどくて眠れない」「家族からいびきがうるさいと言われる」と悩む方の中には、扁桃腺の肥大が原因となっているケースがあります。
特に子どもだけでなく大人でも扁桃腺が大きくなっている場合、気道が狭くなり、睡眠中の呼吸に支障をきたすことがあるのです。

ここでは、いびきと扁桃腺肥大の関係について詳しく解説します。

扁桃腺肥大といびきの関係

扁桃腺(正式には口蓋扁桃)は、喉の左右にあるリンパ組織の一種で、外部からのウイルスや細菌を防ぐ役割を担っています。
しかしこの扁桃腺が慢性的に腫れていたり、もともと大きかったりすると、喉の空気の通り道(気道)が狭くなるため、次のような現象が起きやすくなります。

  • 空気が無理に通ることでいびきが発生

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高まる

  • 睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力低下が起きる

特に仰向けで寝たとき体がリラックスして筋肉が緩む睡眠中は、扁桃腺が気道をよりふさぎやすくなるため、いびきが顕著になります。

大人でも扁桃腺が原因でいびきをかくことはある

「扁桃腺が原因でいびきをかくのは子どもだけ」というイメージを持たれがちですが、大人でも慢性的な扁桃腺肥大や扁桃炎を抱えている人は珍しくありません。

以下のような特徴がある場合、扁桃腺がいびきの主因になっている可能性があります:

  • 口を開けると喉の奥に丸くて大きな扁桃腺が見える

  • いびきが毎日大きく、無呼吸のような間もある

  • のどの違和感や炎症を頻繁に感じる

  • 小さい頃からいびきをかいていた

このような症状がある場合、耳鼻咽喉科での診察や画像検査(内視鏡など)を受けることが重要です。
状況によっては、扁桃腺摘出術(扁桃摘出手術)が検討されることもあります。

扁桃腺手術でいびきは改善するのか

扁桃腺が肥大して気道をふさいでいる場合、**扁桃摘出手術(口蓋扁桃摘出術)**によっていびきが改善する可能性は非常に高いとされています。
特に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された方や、明らかに扁桃腺が呼吸の妨げになっていると判断された場合には、積極的に手術が勧められることもあります。

ここでは、手術による効果と対象者、リスクや回復の流れについて詳しく解説します。

扁桃摘出術の効果と適応対象

扁桃摘出術は、全身麻酔下で行われる一般的な耳鼻科手術です。手術時間は30分〜1時間程度で、入院を伴うのが一般的です(通常5〜7日ほど)。

この手術によって期待できる効果には以下のようなものがあります:

  • いびきの軽減・消失

  • 無呼吸の回数減少

  • 睡眠の質の改善(深い眠りが得られる)

  • 日中の倦怠感・集中力低下の改善

  • 繰り返す扁桃炎の予防

とくに、扁桃肥大による上気道閉塞が主な原因と判断された場合、手術による改善率は高く、90%近くの人でいびきが改善したという報告もあります。

手術のリスクと術後の経過

どんな手術にもリスクは伴いますが、扁桃摘出術は比較的安全性の高い手術です。
とはいえ、以下のような点には注意が必要です:

  • 術後に強いのどの痛みが1週間程度続く

  • 飲食がしづらくなるため、流動食中心になる

  • 稀に出血や感染を伴うことがある(術後出血のリスクは1〜5%程度)

  • 全身麻酔に関するリスク

術後の回復には個人差がありますが、多くの場合、1〜2週間ほどで日常生活に支障がなくなるレベルに回復します。
ただし、声や嚥下に違和感を感じるケースもあるため、術後の経過観察や医師の指示に従うことが大切です。

扁桃腺手術の費用は?保険適用される?

扁桃腺手術を検討するうえで気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点です。
実際には、保険適用の範囲内で行える医療行為であり、条件を満たせば高額にはなりません。
ここでは、扁桃腺摘出術にかかる費用の内訳や保険適用条件、入院費などのトータルコストについて解説します。

保険適用の条件と実際の自己負担額

扁桃腺摘出術は、日本の公的医療保険制度で3割負担の対象です(会社員・被扶養者・国保加入者等の場合)。
以下のようなケースでは、手術に保険が適用されます:

  • 慢性的な扁桃炎や扁桃肥大で、生活に支障をきたしている

  • 睡眠時無呼吸症候群の治療として医師が必要と判断した

  • 喉の違和感や炎症が頻繁に起きている

実際の費用は以下のとおりです:

内容 目安費用(3割負担)
手術費用(扁桃摘出) 約3〜5万円
入院費(5〜7日) 約3〜7万円
術前検査・通院費 約5,000〜1万円

トータルで6〜12万円前後になることが一般的です。

ただし、高額療養費制度を利用すれば、一定の自己負担限度額を超えた金額は後日払い戻されるため、実質的な負担額はさらに抑えられる可能性があります

入院期間・通院費などのトータル費用例

以下は、一般的な大人のケースでのモデル費用例です。

例:35歳会社員・3割負担・6日入院の場合

  • 手術費:約4万円

  • 入院費・食事代:約6万円

  • 検査・投薬:約1万円
    合計:約11万円程度

これに加え、術前検査や術後の診察が数回必要になりますが、1回あたり数千円程度の負担で済むことが多いです。

民間の医療保険に加入している場合は、入院日数や手術給付金が支給されることもあるため、あらかじめ保険会社へ確認しておくと安心です。

まとめと参考記事

いびきがひどい場合、その原因が扁桃腺の肥大にあることは少なくありません。
特に、喉の奥をふさぐほど扁桃腺が大きくなっていると、呼吸がスムーズに行えず、いびきや睡眠時無呼吸を引き起こす可能性があります。

このようなケースでは、扁桃腺摘出手術によっていびきが大きく改善することも期待できます
もちろん手術にはリスクもありますが、安全性の高い手術であり、多くの方が術後に睡眠の質の向上を実感しています。

費用面に関しても、保険が適用されることで実質の自己負担は6〜12万円程度に抑えられ、高額療養費制度や医療保険を併用することでさらに軽減可能です。

「ただのいびき」と侮らず、専門の耳鼻咽喉科で扁桃腺の状態をチェックしてもらうことが、快適な睡眠への第一歩になります。


この記事のまとめ

  • 扁桃腺肥大はいびきの大きな原因のひとつ

  • 扁桃腺摘出手術でいびきが改善するケースは多い

  • 手術は保険適用で6〜12万円前後(高額療養費制度も活用可能)

  • 専門医の診断を受けることで正確な対処ができる


参考記事